一般葬の費用は?平均相場や料金の内訳を公開

2020年10月6日 葬儀の準備
一般葬の費用は?平均相場や料金の内訳を公開

「一般葬」は、遺族と参列者が一緒に故人を偲ぶ従来型の葬儀方法です。自身の葬儀形式を決めておきたい人や、今後のためにどのような故人の見送り方があるのか知りたい人は、一般葬の特徴や他の形式との違いを知っておきましょう。

この記事では、一般葬の形式や費用の平均相場、一般葬を執り行うメリット・デメリットなどについて解説します。故人や遺族が納得できる葬儀を執り行いたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

1.一般葬とは?費用相場はどれくらい?

一般葬とは、通夜・告別式が含まれる葬儀形式です。近親者だけではなく、故人と親交があった人も葬儀に参列できます。家族葬に比べて、規模が大きく参列者数が多くなることが特徴です。

一般葬の総額費用相場は、約90万円となっています。しかし、一般葬の費用はしきたりや慣習などによって地域差・宗派差が大きく、150~190万円以上かかるケースも少なくありません。

2.一般葬に必要な費用の仕組み

一般葬を執り行うにあたり、何にどの程度の費用がかかるのか、内訳を理解しておくことが大切です。一般葬の費用総額は、以下の4項目に分けられます。

  • 施設の使用にかかる費用
  • 葬儀の施行で発生する費用
  • 参列者に関する費用
  • 宗教者に支払う費用

ここでは、一般葬にかかる4項目の内容と費用内訳について、詳しく解説します。

2-1.施設の使用にかかる費用

葬儀までの遺体安置を自宅以外で行う場合、葬祭会館の安置室や遺体安置専用施設の使用料が必要です。さらに、自宅以外で通夜・告別式を行う場合、葬祭会館などの式場使用料や、待合室・控室の使用料がかかります。

告別式の終了後に行う火葬にも費用が必要です。公営の火葬場を利用する場合、火葬場のエリアに故人が住んでいたかどうかによって、料金が異なるケースが多く見られます。

施設の使用にかかる費用の相場は、以下の通りです。

費用相場
遺体安置費用 搬送費…1~2万円
安置費…1~3万円/日
式場使用料 民営の施設…10~30万円
公営の施設…2~5万円
火葬料 民営の火葬場…3~20万円
公営の火葬場…0~6万円

2-2.葬儀の施行で発生する費用

通夜・告別式では、祭壇の準備など葬儀の施行費用が発生します。
祭壇の種類は、白木を用いた「白木祭壇」と生花で飾った「生花祭壇」の2つです。かつては白木祭壇が一般的でしたが、現在は宗派を問わず利用できる生花祭壇を希望する人が増えています。ただし、白木祭壇より生花祭壇の方が費用は高くなりがちです。

通夜・告別式にかかる費用は、他の項目に比べて費用の内訳が細かいため、それぞれの内容にいくらかかるのか、一つひとつチェックしておきましょう。

葬儀の施行で発生する主な費用の相場は、以下の通りです。

費用相場
祭壇費用 白木祭壇…20~30万円
生花祭壇…20~80万円
お棺費用 3~30万円
車両費用 霊柩車…1~2万円
寝台車…1~2万円
マイクロバス(参列者送迎)…4~10万円
人件費 スタッフ1人あたり…2~3万円
その他の費用 遺影写真撮影代…1~4万円
ドライアイス代…1万円/日
骨壺代…1~3万円

2-3.参列者に関する費用

葬儀の参列者には、会葬礼状・会葬礼品(返礼品)・香典返しを渡します。かつては後日に返礼品が渡されていましたが、現在では即日返しが一般的です。さらに、参列者へのおもてなしの意味で通夜振る舞い(通夜料理)や精進落とし(初七日料理)の席を設けます。

通夜料理の量は、参列者数の7割分が目安です。一方、初七日料理は遺族や親族の人数で準備を行います。

参列者に関する費用の相場は、以下の通りです。

費用相場
会葬礼状費用 120円/人
会葬礼品費用 500~1,500円/人
香典返し費用 2,000~3,000円/人
飲食接待費用 通夜料理・初七日料理…2,000~5,000円/人

2-4.宗教者に支払う費用

宗教者(僧侶・神官・神父・牧師など)へのお礼として、お布施代・戒名料・お車代・お膳料などが発生します。
お布施は、読経や戒名の付与に対して感謝の気持ちを表す費用で、金額が決まっているわけではありません。また、神式の場合は「ご神饌料」、キリスト教の場合は「献金」と呼ばれます。

宗教者に支払う費用は、葬儀業者への費用に含まれていないケースがほとんどです。そのため、葬儀業者の費用とは別に用意する必要があります。

宗教者に支払う費用の相場は、以下の通りです。

費用相場
お布施代 20~30万円
戒名料 20万円
お車代 1万円
お膳料 1万円

3.一般葬を執り行うメリット

自分の死後は一般葬を執り行ってほしいと考えている人や、家族や親族の一般葬を検討している人は、一般葬のメリットをチェックしておきましょう。

一般葬を執り行うことには、大きく分けて3つのメリットがあります。

●故人や遺族が希望する予算や内容で執り行える

一般葬は、他の葬儀形式より自由度が高く、予算や希望に合わせて葬儀を執り行うことが可能です。豪華な演出を取り入れたり、反対にシンプルに執り行ったりすることもできます。

●葬儀後に生じる遺族の負担を軽減できる

家族葬など少人数で葬儀を執り行う場合、自宅で個々に弔問客の対応を行わなければなりません。通夜・告別式などでお別れの場を設けることで、遺族の負担を減らせる点は、大きなメリットといえます。

●親族や参列者に受け入れられやすい

一般葬は、年配の人にも馴染みがある葬儀形式です。そのため、しきたりや慣習を大切にする人でも抵抗なく参列できます。

4.一般葬を執り行うデメリット

一般葬にはさまざまなメリットがある一方で、いくつかデメリットがあることも事実です。自分や家族にとって最適な葬儀を選ぶためにも、メリットだけではなくデメリットもしっかり把握しておきましょう。

一般葬を執り行う主なデメリットは、以下の2つです。

●喪主の負担が大きい

通夜・告別式を行うと、弔問客が次々と挨拶に訪れます。喪主は常に接客が必要となり、心身ともに負担が大きくなりがちです。

<対策>

喪主をサポートするために、家族や親族で役割分担を行うことで、負担を軽減できます。

●他の葬儀形式に比べて費用がかかる

一般葬にかかる費用総額は、火葬だけを執り行う葬儀や1日葬と比べて高額です。一般葬にかかる費用の約4割は参列者に関するもので、参列者が多いほど葬儀費用は高額化します。

<対策>

葬儀業者と相談しつつ、無理のない範囲で葬儀の計画を立てることで、費用は抑えられます。

5.一般葬の費用を抑えるコツ

一般葬は他の葬儀形式より費用が高くなりがちです。しかし、葬儀業者から提案されたプラン内容から不要な項目を省いたり、参列者数を正しく予測したりすることで、予算内で満足できる一般葬を執り行うことができます。

一般葬の費用をできるだけ抑えたい場合は、以下のコツを実践してみましょう。

●事前に情報収集して希望の葬儀業者を見つける

急な訃報で十分に準備できない状態で葬儀を執り行うと、内容や費用面で後悔することがあります。いざという場合に、信頼できる葬儀業者に依頼できるように、あらかじめ情報収集を行うことが大切です。
葬儀費用の設定金額は、葬儀業者によって差があります。まずは、インターネットで気になる葬儀業者を探して、葬儀費用の見積もりを取ったり無料シミュレーションを試したりしつつ、価格や内容を比較しましょう。

●必要なサービスが盛り込まれているか確認する

故人や遺族が満足できる内容の葬儀を行うためには、事前に葬儀内容を十分に検討する必要があります。検討している葬儀プランに希望の内容が含まれているのか、オプション料金は発生しないのか、確認しておきましょう。

まとめ

一般葬の費用相場は約90万円です。しかし、内容によっては相場を下回ることや、逆に100万円を大きく超えることもめずらしくありません。一般葬にかかる費用は、施設使用の有無や参列者数の多さ、祭壇の種類によって総額が大きく変わります。

一般葬を検討している場合は、費用の仕組みやメリット・デメリットを理解しておくことが大切です。費用に見合った葬儀を執り行えるように、葬儀に関する情報を事前に集めておきましょう。