遺影写真に決まりはある?選び方・準備にかかる費用相場を紹介

2021年9月24日 終活葬儀の準備
遺影写真に決まりはある?選び方・準備にかかる費用相場を紹介

身内が亡くなった場合、遺影写真の準備は遺族が行います。なかには、万が一に備えて生前に自身で準備しておく人も少なくありません。

できるだけ綺麗な遺影写真を準備するためには、サイズや選び方のポイントを知っておくことが大切です。また、遺影写真の役割についても理解しておきましょう。

本記事では、「遺影に適した写真の選び方」や「遺影写真の料金相場」などについて解説します。生前に遺影写真を準備する方法にも触れるため、ぜひ参考にしてください。

 

1.遺影写真とは?

遺影とは、故人の在りし日の姿を残した写真や肖像画です。葬儀では、遺影写真を祭壇などに飾り、参列者や親族は、遺影写真を見ながら故人との思い出を振り返ったりお別れの言葉をかけたりします。

葬儀が終わった後は、お焚き上げをお願いするか仏壇の近くに飾る場合がほとんどです。

祭壇用の遺影写真とは別に、仏壇やお部屋に飾る焼香台用の遺影写真もあります。焼香台用の遺影写真は、遺族が故人を偲ぶためにある写真です。

 

1-1.遺影写真のサイズ・データ形式に決まりはある?

遺影写真のサイズは、用途によって異なります。祭壇用・焼香台用でよく使われるサイズは、下記の通りです。

祭壇用 四つ切りサイズ 縦305mm×横254mm
A4サイズ 縦297mm×横210mm
焼香台用 L判サイズ 縦127mm×横89mm
キャビネットサイズ 縦165mm×横120mm
2Lサイズ 縦178mm×横127mm

祭壇用の遺影写真は、葬儀会場の後方からも見えるように大きめのサイズを用います。自宅に飾ることを想定して作られる焼香台用の遺影写真は、サイズが小さいことが特徴です。

遺影写真は、現物の写真またはデジタル画像データから作成できます。画像データの場合は、データ形式に注意しましょう。データ形式には、JPEG・PNG・BMP形式などがあり、対応するデータ形式は業者によって異なります。

 

2.遺影に適した写真の選び方は?

遺影に使う写真は、和装やスーツを着ていなくても問題ありません。服装・アイテム・雰囲気などは、加工によって希望に近づけることができます。また、サイズを大きくしたり集合写真から切り取ったりすることも可能です。

ここでは、遺影写真に適した写真の選び方について解説します。

 

2-1.その人らしさが出ている写真

遺影写真は、その人らしさが伝わる自然な写真であることが大切です。「真面目なタイプの人=誠実さが伝わるような写真」「穏やかなタイプの人=笑顔の写真」など、故人の在りし日の印象に近い写真を選びましょう。

リラックスした状態で撮影した写真は、その人らしさが出やすいと言えます。遺影写真に選ばれることが多い撮影シーンは、下記の通りです。

  • 友人や家族との旅行
  • 記念日
  • 趣味を楽しむ時間

故人を見送った後に仏壇や部屋に飾ることも考えて、家族が気に入っている写真を選びましょう。

 

2-2.ピントが合っている写真

遺影写真選びでは、「ピント」「目線」「解像度」に注目することが大切です。

ピントが合っていない写真は、拡大するとぼやけた印象となります。綺麗な遺影写真を準備するために、故人の顔がしっかりとわかる写真を選ぶことが重要です。

また、参列者や家族が故人と向き合いやすいように、できるだけカメラ目線の写真を選びましょう。遺影写真は、スマートフォンで撮影された写真から作ることも可能です。ただし、画像の解像度が低いと引き伸ばしに耐えられず画像が粗くなることがあります。

また、ピントが合っていても写真サイズが小さすぎると綺麗に仕上がらないことがあります。遺影写真に使う故人の顔の大きさは、10円玉サイズ以上が目安です。

 

2-3.直近に撮影した写真

遺影写真は、故人が生きてきた証となるため、なるべく直近に撮影した写真を選びましょう。

故人が闘病中であった場合や施設に入所していた場合などは、元気な頃の姿を遺影写真に使うことも可能です。数年前の写真を使ったほうが、その人らしさが伝わる遺影写真となる場合もあります。

ただし、直近に撮影した写真がない場合や元気な姿を遺影写真に使いたい場合は、極端に若すぎる写真を選ばないよう注意し、アルバムなどからできるだけ新しい写真を選んでください。

 

3.遺影写真の準備にかかる料金相場

葬儀会社に遺影写真を依頼する場合にかかる料金相場は、下記の通りです。

料金相場 約1万~3万円

遺影写真の撮影だけでなく、フォトフレームやリボンなど遺影写真の装飾代が5,000円程度かかるため、結果的にトータルで3万円程度かかることが一般的です。

プリントショップなどで、既存写真を加工処理して遺影写真を作るだけの場合は、5,000円~7,000円程度で作成できます。

なお葬儀会社によっては、遺影撮影の準備が葬儀プランに組み込まれていることもあります。気になることを相談しながら遺影写真の準備を行いたい場合は、葬儀会社への依頼を検討してみましょう。

 

4.生前に遺影写真を準備する方法2つ

遺影写真は、遺族が準備する流れが一般的でした。しかし、近年は「終活」の一部として生前に用意する人も増えています。生前に遺影写真を準備する主なメリットは、自身で好きな遺影写真を選べることと、残される家族への負担を軽減できることです。

遺影写真を生前に準備したいと考えている人は、具体的な方法とメリット・デメリットを理解しておきましょう。

ここでは、生前に遺影写真を準備する2つの方法について詳しく解説します。

 

4-1.フォトスタジオで撮影する

生前に遺影写真を準備するためには、フォトスタジオを利用することも1つの方法です。ヘアメイク込みの撮影プランがある店舗が多く、気軽に撮影してもらうことができます。

フォトスタジオで撮影するメリットは、次の通りです。

  • 品質がよく綺麗に仕上がる
  • こだわりのある遺影写真を用意できる
  • 予算に合わせて撮影プランを選べる

フォトスタジオの撮影プランの料金相場は、ヘアメイク込みで1万5,000円~2万円程度となっています。また、オプションサービスで衣装レンタルの利用やポーズ追加も可能です。

仕上がりや雰囲気にこだわって遺影写真を撮りたい人は、プロに撮影してもらえるフォトスタジオの利用を検討してみましょう。自宅での出張撮影に対応しているフォトスタジオもあります。

 

4-2.既存の写真を自身で加工する

生前に遺影写真を準備する場合、既存写真から自身で加工することも1つの方法です。加工ソフトやアプリを使って、自宅で手軽に遺影写真を作ることができます。

既存写真を加工して遺影写真を作るメリットは、下記の通りです。

  • 遺影写真を安く準備できる
  • 好みに合った背景やデザインを選べる
  • 思い入れのある遺影写真となる

自身で写真の加工を行うためには、ソフトやアプリの専門知識が必要となります。知識や加工技術がない状態から自身で遺影写真を作る場合は、作業に時間と手間がかかることがデメリットです。

また、自身で遺影写真を作る場合は、違和感が出ないように配慮する必要があります。自己満足とならないように、参列者や親族からの見え方に注意しましょう。

 

まとめ

遺影写真は、葬儀の参列者や遺族が故人を偲ぶためにも使われます。遺影写真には、その人らしさが出る写真を選ぶことが大切です。また、綺麗な遺影写真を準備するためには、写真の「ピント」「目線」「解像度」に気をつけましょう。

葬儀会社やフォトスタジオで遺影写真を準備する場合の料金は、約1万~3万円が相場となります。ソフトやアプリで作る場合と比べると料金は高いものの、品質がよく綺麗な遺影写真を準備することが可能です。

身内の遺影写真を適切に準備したいと考えている人は、葬儀会社やフォトスタジオに相談してみましょう。