【男女別】お通夜にふさわしい服装|身だしなみの細かなマナーも紹介

2020年3月30日 法事・法要
【男女別】お通夜にふさわしい服装|身だしなみの細かなマナーも紹介

訃報は突如として告げられるため、日頃から準備をして万全の状態でお通夜に参列できるという人はほとんど存在しないでしょう。中には、喪服を準備・所持していないため、服装や持ち物などに戸惑う人も珍しくありません。

この記事では、お通夜に参列する際、喪服以外でも失礼にあたらない服装について男女別に解説します。服装以外の身だしなみやマナーについても紹介するため、急なお通夜に参加しなければならない人や、今後のために備えておきたい人は、ぜひ参考にしてください。

1.お通夜参列者の基本的なマナーとは?

お通夜や葬儀の席に赴く場合、喪服を着用することが一般的です。

本来、喪服や喪章は、ご遺族や近親者が身につけることで「喪に服している」状態を表すものとされていました。
しかし現在では、参列する弔問客も喪服を着用することで、お悔やみの言葉だけではなく、故人を偲び、ご遺族の悲しみに寄り添う姿勢を示すことがマナーとなっています。

お通夜の席では喪服を着用することが望ましくありますが、多くの場合、訃報は唐突にもたらされるものです。喪服の持ち合わせがなかったり、突然のお通夜で帰宅して着替える時間がなかったりすることも少なくありません。

喪服で参列することが難しい場合は、スーツなどの平服でも問題ありませんが、できるだけ暗い色合いでそろえ、無地で地味なデザインを選ぶようにしましょう。日頃スーツを着ている男性の場合は、黒いネクタイを常備しておくといざという時に便利です。

中には、喪服を着ていくと「不幸が起きることが分かっていて、事前に準備していたと勘繰られるため、避けるべきだ」という人もいます。間違った意見ではありませんが、それが正しい参列マナーというわけではないため、気にする必要はありません。

大切なことは故人を悼む気持ちであり、ご遺族の気持ちを最優先に考えることです。必要なものがそろっている場合は、きちんと喪服を着てお通夜の席に参列しましょう。

2.【男女別】お通夜にふさわしい服装

冠婚葬祭にはそれぞれの席にあった服装が存在します。お通夜で言うならば、和装での参列はおすすめしません。
一般参列者としてお通夜や告別式に参列する際は、略喪服など、ご遺族よりも格式の低い服装を心がける必要があります。ご遺族が日常的に和装をしていないなら、洋装で参列するようにしましょう。
ここからは、お通夜の席にふさわしい服装のポイントを、さらに詳しく男女別に紹介します。

2-1.男性

■スーツ
光沢のない生地で作られた、黒のフォーマルスーツ、もしくは黒・濃紺・濃いグレーのダークスーツを選びましょう。スーツ自体にはシングルかダブルといった決まりはありません。ただし、パンツの裾はシングル一択です。

■シャツ
光沢のない白無地、レギュラーカラーで長袖のワイシャツを着用します。色付きのシャツや柄の入っているもの、ボタンダウンタイプはNGです。カフスボタンなども外しておきましょう。

■ネクタイ
光沢のない黒無地のネクタイが好ましいです。無地のネクタイが見当たらない場合は、できるだけ柄が目立たないタイプを選びましょう。
くぼみを作らないように結び、ネクタイピンは付けません。

■ベルト
黒無地のプレーンベルトが理想的です。大きなバックルが付いているものや、ワニや蛇などの柄がデザインされているもの、鋲が打ち付けてあるような製品は避けましょう。

■足元
靴はひもで結ぶタイプの革靴を選択し、金具などが付いておらずデザイン性が強くないものを履きます。エナメル製やローファーはふさわしくありません。靴下も黒無地の柄なしを選びましょう。

2-2.女性

■服
光沢のない生地で作られた、黒のフォーマルスーツ、もしくは黒・濃紺・濃いグレーのダークスーツかワンピース、アンサンブルを着用します。
ブラウスなども含め、できるだけ露出の少ないデザインを選ぶことが基本です。
例え暑い夏であっても、トップスは5分袖までとし、ミニスカートは絶対に履いてはなりません。また、レースやフリルといった装飾性が高いものは避けましょう。

■ネイル
ネイルアートをしており、簡単に落とせない場合などは、黒い手袋を使用しましょう。
凹凸のないデザインのジェルネイルであれば、上からベージュ色のマニキュアを重ね塗りするだけで隠せます。ノンアセトンのリムーバーを使用することで、ジェルネイルを落とすことなく、マニキュアのみをオフすることが可能です。

■足元
30デニール以下の薄っすら肌が透ける程度の黒ストッキングを履きましょう。あみ目や柄の入っているもの、30デニール以上の厚みがあるタイツはNGです。ただし、寒い地域では60デニールまでのタイツでも問題ない場合もあります
パンプスは布製か革製で飾りがなく、ヒールが5cm以下のフォーマルなタイプを選びましょう。ミュールやサンダルはマナー違反となります。

2-3.例外:学生の場合は「制服」が正式礼装となる

学生の場合は、通っている学校の制服で出席しましょう。

学校によっては色合いがカラフルな制服や、チェックなどの柄が入っている制服もあるでしょう。学生の身分であれば、制服が正式礼装とみなされるため、どのようなデザインであっても問題ありません。

ただし、最低限のマナーとして、シャツの裾をパンツに入れる、ボタンをきちんと留める、スカートを折り曲げないといった身だしなみは必要です。校則に定められているとおりの、清潔感ある装いを心がけましょう。

3.服装以外で気を付けるべきお通夜の身だしなみ・マナー

お通夜に参列する際は、服装だけでなく、持ち物や出で立ちなどにも気を使う必要があります。もし非常識な真似をしてしまえば、自分が恥をかくだけではなく、ご遺族の方に不愉快な思いをさせてしまいます。

ここでは、お通夜に参列する時に気を付けなければならない、身だしなみやマナーを3つに分けて解説します。

3-1.結婚指輪以外のアクセサリーは身につけない

結婚指輪であれば、お通夜の席につけていっても問題ありません。

ただし、結婚指輪でも派手な装飾がされているものや、凝ったデザインの指輪などはできるだけ外すようにしましょう。特にダイヤなどの宝石付きや、ゴールド系の指輪は派手な印象を与えてしまうため、注意が必要です。

ネックレスをつけていく場合は、真珠やブラックオニキスなどの一連タイプを選びます。二連、三連のネックレスは、不幸が重なることを意味するため絶対につけていってはなりません。

ただし、これはあくまでも「どうしてもアクセサリーをつける」という場合です。お通夜に参列する際は、アクセサリーの類は全てNGだと思った方が良いでしょう。

3-2.光沢のある素材のアイテム・動物の皮製品は身につけない

お通夜の席で身につけるアイテムとして、代表的なものにバッグがあります。
バッグを選ぶ時も、服装と同じく光沢素材は避け、できれば布製で、金具などの飾り気がないデザインのバッグにしましょう。大きさは、財布や袱紗、数珠など最低限の手荷物が入る程度で十分です。

素材として動物やワニの革を使ったり柄を付けたりしたものなどは、殺生をイメージさせてしまうため、お通夜で使用するものには適していません。また、バッグや小物類だけでなく、会場内で脱ぐからといって、コートなどに毛皮やファーを使用したものは着ていかないようにしましょう。

3-3.メイク・髪型はなるべくシンプルにする

派手なメイクはお通夜の場にふさわしくありません。ただし、社会人の女性が参列する場合、ノーメイクでいくこともマナー違反となります。全体的に落ち着いた色合いでそろえ、薄化粧を意識しましょう。

パールやラメなどが入ったものや、チークや口紅、リップグロスなど、血色の良さや元気さをアピールするものは使いません。アイシャドウやフェイスパウダーの中には、初めからパールが入っている製品も多いため、使う前にきちんと確かめることが大切です。

香水などは使わずに、最低限、身だしなみを整える程度の上品なメイクが理想的と言えます。

髪型は耳より下の位置、首の後ろで括るなどして、一つにまとめてしまえば大丈夫です。また、ヘアアクセサリーや香りの強い整髪料の使用は控えましょう。明るい茶髪程度であれば、髪色を気にする必要はありません。
ロングヘアを結わずにいく場合も、髪留め用に黒のヘアゴムやシンプルバレッタを持っていくなど、その場で対応できるように準備しておきましょう。

まとめ

お通夜の席に参列する場合、最もふさわしい服装は喪服です。しかし、喪服で参列することが難しい場合は、地味な色あいの平服で参列しても問題ありません。基本的に柄物は避け、男性のワイシャツを除き黒無地でそろえることが望ましく、光沢のない素材を選択しましょう。

お通夜のしきたりやマナーを守り、故人やご遺族に対する敬意や配慮を忘れずにふるまっていれば、悪目立ちすることも、ご遺族に不愉快な思いをさせることもありません。最後まで思いやりを忘れずに、故人にお別れを伝えましょう。