一周忌法要とは?必要な準備から当日の流れまで

2021年2月17日 法事・法要
一周忌法要とは?必要な準備から当日の流れまで

葬儀と四十九日が終わり、喪中のため年賀状も控えるなどして1年が過ぎると、今度は一周忌法要があります。「一周忌法要」について言葉は知っていても、実際に執り行う内容や準備すべきことを知らない人も多いのではないでしょうか。

一周忌法要の時期間近に用意することは大変であるため、葬儀を終えてから半年程度を目安に一周忌法要の準備を考える必要があります。

当記事では、そもそも一周忌法要とは何か、一周忌法要はどのように行うのかを解説します。また、一周忌法要を執り行う場合に準備すべき項目や、遺族側の適切な服装についても解説するため、ぜひ参考にしてください。

1.一周忌法要とは?

一周忌法要とは、故人が亡くなって満1年が経った命日に行う法要です。年忌法要の中でも一周忌法要は最も重要であり、遺族だけでなく親族・友人など、故人と親しい間柄であった人が参列します。

一周忌法要を行う意味は、一周忌という節目の日に故人と関係していた人たちで集まり、故人をしのぶことです。そのため、一周忌法要では僧侶による読経や焼香などを終えた後で、皆で食事を行います。

また、「一周忌」と混同しやすい言葉に「一回忌」がありますが、一回忌とは故人が亡くなった、1回目の祥月命日を指す言葉です。2回目の祥月命日である一周忌を、「一回忌」と混同しないように注意してください。

1-1.一周忌法要の流れ

ここでは、一周忌法要における一般的な流れと、各内容を解説します。

(1)僧侶の入場

仏壇前に僧侶の席を設えておき、僧侶のすぐ後ろを最前列として、僧侶に最も近い席に施主が座ります。施主の後は、故人と血縁が濃い順に座ることが基本です。

僧侶が法要の場に到着したら、仏壇前の僧侶の席へと案内します。

(2)施主の挨拶

施主が挨拶を行い、法要の開始を告げます。施主による挨拶はまだ機会があるため、開始の挨拶は長くなりすぎないようにしましょう。

(3)僧侶による読経

定刻になると僧侶による読経が行われます。読経中は数珠を手に持ち、静かに聞き入ります。

(4)焼香

焼香はまず施主が始め、前の席に座っている順に焼香を行います。焼香のやり方は椅子席であれば立礼焼香、畳席では座礼焼香が基本です。自宅の法要では回し焼香で行うこともあります。

(5)僧侶による法話

読経・焼香を終えると、僧侶による法話が行われることもあります。法話の前に、僧侶が「どうぞ楽な姿勢をしてください」と言うこともありますが、あまり姿勢を崩しすぎないようにしてください。

(6)僧侶の退場

僧侶が退場する際にはお布施を渡します。法話の後で僧侶が退場する場合は、お布施・御膳料・お車代の3つを包んで渡しましょう。

僧侶が法要後のお斎に同席する場合は、まだ退場はしません。お斎が終わり、僧侶が退場するときになってから、お布施・お車代の2つを包んで渡してください。

お布施の渡し方には作法があります。お布施の入った封筒を小さなお盆(または袱紗)に載せて、文字が僧侶の側から読めるように渡しましょう。

(7)墓参り

墓地が近い場合は墓参りを行います。遠い場合は省略しても問題ありません。

(8)施主によるお礼の挨拶

お斎の前に、施主によるお礼の挨拶を行います。一周忌法要を無事終えられたことと、参列してくれた人たちへの感謝、お斎の用意があることを伝えてください。

(9)お斎

会食を用意した場所へ移動して、参列者に振る舞います。

(10)解散

会食後は施主が改めて感謝の挨拶を行い、解散とします。参列者が帰る際に、施主は引出物を忘れず渡しましょう。

2.一周忌法要を執り行う場合の準備項目

一周忌法要を執り行う場合は、さまざまな準備をする必要があります。法要に使用する会場や僧侶の手配など予約が必要な準備もあるため、余裕を持って行うことがおすすめです。

以下では、一周忌法要を執り行う場合に必要となる準備を、4つの項目に分けて紹介します。

2-1.日程・会場決め

一周忌法要の準備では、まず法要の日程を決定しましょう。一周忌法要は故人の命日に行うことが基本であるものの、命日が平日である場合は参列者の都合がつかないこともあります。命日当日が難しい場合は、命日より前の土日祝日に日程調整を行ってください。

日程が決まったら、法要に使用する会場を決定します。参列者が多い場合は菩提寺や葬儀会社のホールを使用することが一般的です。

一周忌法要の日程・会場を決めることにより、以降の準備をスムーズに進められます。そのため、一周忌法要の日程・会場決めは、遅くとも2ヶ月前には済ませておきましょう。

2-2.食事・僧侶の手配

一周忌法要の日程・会場が決まったら、次に食事・僧侶の手配を行います。お斎に出す食事の手配方法は、下記の3つがあります。

  • 料理店やレストランを予約する
  • 当日の仕出しを予約する
  • 施設のサービスを利用する

食事を手配する際は用意する人数と、一周忌法要の食事であることも一緒に連絡してください。

僧侶の手配は、故人に菩提寺がある場合は菩提寺に依頼します。菩提寺がない場合は葬儀会社に依頼したり、僧侶手配サービスを利用したりすることが一般的です。

なお、寺院側にも都合があるため、僧侶の手配はなるべく早く済ませておきましょう。また、僧侶を手配する際には、お斎に同席できるかどうかも伺ってください。

2-3.招待客の選定・案内状の送付

食事・僧侶の手配と並行して、招待客の選定・案内状の送付も行います。一周忌法要の招待客は、故人の親族や親しい間柄であった友人・知人が一般的です。

招待客の選定ができたら、案内状を送付します。一周忌法要の案内状は守るべきマナーがあり、主な注意点は下記の2つです。

  • 文面に句読点(、。)を使用しない
  • 二重封筒は使用しない

一周忌法要の案内状は、略式として往復はがきで出し、出席・欠席に丸を付けてそのまま返信できるケースも多くなっています。往復はがきではない場合は、案内状に返信用のはがきも同封しておくと親切です。

2-4.引出物の準備

一周忌法要では参列者が香典を持参するため、香典返しの引出物を準備する必要があります。一周忌法要の引出物は、不祝儀を後へ残さない慣習にならって「消え物」を選ぶことが一般的であり、金額相場は1人あたり3,000~5,000円程度です。

一周忌法要における引出物に適した品物としては、下記が挙げられます。

  • お茶
  • 海苔
  • お菓子
  • 調味料
  • 洗剤
  • カタログギフト

引出物はカタログギフトでも問題ありません。受け取った相手は好きな商品を選べるため人気です。

引出物の準備では、のしをつけます。のしは表書きに「粗供養」や「志」と書き、水引は黒白か銀色の結び切りを選んでください。水引の色・結い方が合っていれば、のし紙でも問題ありません。

3.一周忌法要にふさわしい服装

一周忌法要を執り行う遺族側の適切な服装は、礼服(喪服)です。礼服は準喪服で問題ありません。

一周忌法要にふさわしい服装と注意点は、具体的に下記のとおりです。

○男性の服装

ブラックスーツに、白いワイシャツと黒ネクタイを締めます。靴・靴下・ベルトも黒無地でなるべく揃えましょう。

靴やベルトは、光りやすい金具付きや革の質感が分かるものは避けてください。アクセサリー類も結婚指輪・婚約指輪のみを着用し、腕時計は目立ちにくい色合いのものを選びます。

○女性の服装

ブラックスーツまたは黒のワンピースを着用します。履物も黒の靴とストッキングを着用してください。会場に持参するバッグは黒を選び、革製や目立つ金具付きは避けましょう。

アクセサリー類は結婚指輪・婚約指輪だけでなく、パールのネックレスやイヤリングも着用できます。ただし、二連のネックレスは「不幸が重なる」と連想されるため、着用する場合は一連のネックレスを選んでください。

まとめ

一周忌法要とは、故人が亡くなってからちょうど1年の命日に行う年忌法要です。

法要では故人の親族や友人・知人が集まり、僧侶による読経や会食を行うため、多くの事前準備が必要となります。一周忌法要の準備をする際は、余裕を持って進められるよう、2~3か月前のタイミングで準備を始めましょう。

一周忌法要の準備は、まず日程・会場を決めることが重要です。日程・会場が決まったら、食事・僧侶の手配や招待客の選定・案内状の送付、引出物の準備を進めます。

一周忌法要を執り行う遺族側は、準喪服が適切な服装です。性別によって避けるべき小物が異なるため、一周忌法要の準備とともに着用できるものについて把握しておきましょう。