香典袋の正しい書き方とは?注意すべき点についても徹底紹介

2020年3月30日 葬儀の準備
香典袋の正しい書き方とは?注意すべき点についても徹底紹介

親しい人の訃報を受け取り、通夜や葬儀に行く際には、香典を持参します。会葬者として式場に向かう場面に至り、「香典袋の書き方が分からない」「誰の名前を記載すればよいのか」といった疑問を抱き、悩む人は多いものです。

この記事では、香典袋の正しい書き方と注意点を紹介しています。お悔やみごとの事前予測は困難であるからこそ、香典袋の基本的な書き方をあらかじめ理解することが、社会人としてのマナーです。親戚や家族、取引先と良い関係性を維持するための一般常識・教養として、ぜひ参考にしてください。

1.香典とは

「香典」とは、お香や花の代用として、故人に手向ける金銭を意味します。一般的には、香典袋(不祝儀袋)にお札を包み、通夜や葬儀、告別式に持ち寄ることがマナーです。

香典の由来は、線香が開発される以前の日本において、関係者の持ち寄った「お香」であると言われています。線香の存在しない時代では、お香の煙を使用し、故人があの世に向かう際の道しるべを示していました。煙を絶やすことなく焚き続けるには大量のお香が必要となるため、故人と縁のある人がお香を持ち寄り、遺族の負担を軽減していました。
このお香が現金に形を変えて、現在のスタイルに至ります。

現在でも香典は、大切な人を亡くした遺族の状況を慮り、金銭的に援助するためのものです。故人や遺族に対する心配りを示すために持ち寄るものであることは、今も昔も変わりません。香典袋の書き方など形式的なマナーを守ることはもちろん、遺族への気遣いや故人を弔う気持ちを大切にして香典を準備しましょう。

2.香典袋の正しい書き方

香典袋の書き方には、様々なマナーや作法が存在します。連名の場合の書き方や法人名を記載する際のルールなど、応用的な知識が要求される場面もあるため、状況別の対応を理解する必要があります。

ここからは、中袋や表書き、名前の書き方の基礎知識と応用知識を紹介します。

2-1.中袋

一般的な香典袋は、外袋・中袋の二重構造となっています。中袋とは、実際にお金を包み、外袋の内側に収納する封筒のことです。

以下のルールに従って、中袋の表面には香典の金額を記載します。

  • 「1」「3」といった算用数字は漢数字(旧漢字)に直す
  • 「円」も同様に、旧漢字の「圓」にする
  • 金額の前には「金」を付ける

上記のルールに基づく中袋の書き方の具体例は、以下の表を参照にしてください。

香典の金額 中袋の表面の書き方
3,000円「金参仟圓」もしくは「金参阡圓」
5,000円「金伍仟圓」もしくは「金伍阡圓」
7,000円「金七仟圓」もしくは「金七阡圓」
1万円「金壱萬圓」
10万円「金拾萬圓」もしくは「金什萬圓」

「金壱萬圓也」など、末尾の「也」を書くかどうかは任意です。「也」を省略しても、間違いではありません。

中袋の裏側には、会葬者の住所・氏名を記載します。一般的なタイプの封筒と同じように、郵便番号・住所・氏名の順番で書きましょう。

中袋のない種類を使う場合は、外袋の裏側・下段に、郵便番号と金額を記載します。

2-2.表書き

外袋の表面には、表書きを記載します。表書きとは、「御仏前」や「御霊前」など、贈り物を行う際の名目です。
表書きの書き方は、故人の宗教宗派によって異なります。

仏教
(浄土真宗を除く)
仏式の通夜や葬儀では、一般的に「御霊前」を使用します。四十九日以降は「御仏前」「御佛前」などを使用しましょう。
浄土真宗 浄土真宗では「人の死亡後は即座に極楽浄土へ招かれ、仏になる」と考えます。そのため、通夜や葬儀、四十九日以降を問わず、「御仏前」と書くことが一般的です。
神式
(神道)
「御神前」「御玉串料」「御榊料」などを使用します。五十日祭(仏教の四十九日にあたる法要)以降の書き方も同様です。神式の香典は神前に捧げるものであるため、「御仏殿」と書くことは避けましょう。
キリスト教 キリスト教の表書きは、カトリック・プロテスタントで異なります。カトリックの場合は「御花料」「御ミサ料」といった書き方が一般的です。プロテスタントの場合は「御花料」「献花料」「弔慰料」などを使用しましょう。
無宗教・故人の宗派が不明の時 「御霊前」「御香典」など、汎用性の高い表書きを使用しましょう。

2-3.名前

個人名で香典を包む場合は、外袋の表面・水引の真下の中央部分に、自分の名前を記載しましょう。その他、状況別の名前の書き方は、以下の表の通りです。

3人の連名にて出す場合 職場の3人の連名で出す場合は、目上の人から順番に名前を書きます。たとえば、水引の真下・中央付近に上司(部長)の名前・その左に上司直属の部下の名前・さらに左に自分自身の名前といった順番です。
4人以上の連名にて出す場合 水引の真下・中央付近に代表者の名前を書き、その左下に「他3名」などと添えてください。
学校や会社関係者の連名にて出す場合 水引の真下・中央付近に「会社名+一同」もしくは「学校名+一同」と記載します。部署単位で香典を包む場合は「経理部一同」などと中央に書き、その右側に会社名を添えてください。
会社名・法人名を書く場合 取引先など仕事関係の香典には、会社名を使用するケースもあります。水引の真下・中央に代表取締役の名前を書き、その右側に会社名・法人名を添えてください。
代表者名を書く場合 水引の真下・中央付近に、代表者の名前を書きます。その右側に会社名・左側に「外一同」という文言を添えてください。
夫婦連名にて出す場合 水引の真下・中央付近に夫の名前(フルネーム)を書き、妻の名前(苗字を除く)を左横に添えましょう。
夫の代理で妻が参列する場合 水引の真下・中央付近に夫の氏名を記載し、その左下に「内」という小さな文字を添えます。

3.香典袋を書く際に注意すべき点

香典袋を書く際にも、いくつかの注意点が存在します。香典袋を書くときの注意点を守ることは、故人や遺族にお悔やみの気持ちを示すための大切なマナーです。悲しみに暮れる遺族に失礼のないよう、マナーはきちんと守りましょう。

ここからは、香典袋を書く際の主な注意点について、分かりやすく解説します。

3-1.プリンターではなく手書きする

香典袋の名前は、字が汚い・うまいに関わらず、丁寧に時間をかけて手書きすることがマナーです。香典袋の名前をパソコンで作成し、プリントする方法は避けましょう。

近年は、冠婚葬祭で印字を使用するケースが多く、「名前をプリントアウトすることはマナー違反」になるとは限りません。しかし、受け取る相手によっては、印字に対してネガティブな感情を抱くケースがあることも事実です。

一般的に日本人は、手書きに対して「丁寧さがある」「心配りを感じる」といった感情を抱きます。手書きする手間を惜しまず、時間をかけて作成した誠意に対して、心を動かされるケースは少なくありません。

香典は、故人や遺族の感情を慮り、助け合いの精神から包むものです。
お悔やみの気持ちを示すためにも、表書きや名前を自筆で作成しましょう。

3-2.薄墨の筆ペンを使用する

名前を書く際の文房具は、一般的に薄墨の筆ペンを使用します。薄墨は「突然の訃報で濃い墨をする時間がなかった」「悲しみの涙で墨が薄まった」という意味を示す隠喩です。
「訃報を予測していたわけではない」「訃報を悲しく寂しく感じる」といった感情を示すためにも、中袋や表書きを記入する際は薄墨の筆ペンを使用しましょう。

何らかの事情によって薄墨の筆ペンを用意することが難しい場合は、黒色インクのサインペンでも容認されます。ボールペンや鉛筆で香典袋を書く行為はマナー違反に該当するため、黒色のサインペンを使用しましょう。

故人に最後のお別れを告げ、遺族の負担を軽くするためにも、香典袋のマナーを守ることは大切です。香典袋の書き方に迷ったときは、ぜひ当記事を参考にしてください。

まとめ

香典袋は、香典返しを行う際の確認資料として保管するケースも多く、マナー違反を犯してしまうと恥ずかしい思いをするかもしれません。大切な人を亡くした遺族が深い悲しみに包まれている中、香典袋に関してマナー違反を犯すことは、大人として恥ずかしい行為です。

香典袋の書き方には、いくつかルールがあります。中袋・表書き・名前の書き方は、香典の金額や故人の宗旨宗派、香典の包み方で異なります。「香典袋の書き方が分からない」という人は当記事の内容を読み返し、いざという場面に備えましょう。