家族葬の費用相場とは?一般葬との違いや安くするためのコツも紹介

2020年8月27日 法事・法要
家族葬の費用相場とは?一般葬との違いや安くするためのコツも紹介

近年、さまざまな形で行われる葬儀の中で、「家族葬」という言葉がよく用いられるようになってきました。名前から大まかな意味を推測できますが、実際にどのような葬儀内容となるのか、どの程度費用が必要となるのかについて、よく分からない方も少なくありません。

そこで今回は、家族葬における一般的な費用相場や、家族葬と一般葬の違い、家族葬を行うことのメリット・デメリットについて解説します。家族葬の費用を抑えるコツについても紹介するため、ぜひ参考にしてください。

 

1.家族葬とは?

一般的に家族葬とは、家族・親族・特に親しい友人など、故人に近しい参列者のみで執り行われる小規模な葬儀のことです。家族葬と一般葬の間に明確な線引きはありませんが、深い付き合いのない近隣住民や仕事関係者などは、基本的に参列しません。

一般葬と同じく通夜や告別式などを行う場合もあれば、一切の宗教的儀式を省く場合や、火葬のみで済ませる場合など、葬儀の形式はさまざまです。
規模が小さいため、葬儀費用が少なく済み、故人や遺族の意向を反映させやすいことにより、家族葬は近年増加傾向にあります

 

2.家族葬にかかる費用相場

一般的に、30人以内の小規模な家族葬にかかる費用相場は、100~150万円程度が主流です。ただし、参列者の数や地域の物価などによって、葬儀費用の相場は異なります。

家族葬にかかる一般的な葬儀費用の内訳は、以下の通りです。

葬儀一式にかかる費用

葬儀を行う際に、最低限必要となる費用のことです。
主に、葬儀社が販売・提供しています。

【葬儀一式に含まれるものの主な例】

  • 祭壇費用
  • 式場使用料
  • 火葬料金
  • 施行運営費用
  • 棺費用
  • 遺体安置料金
  • 遺体搬送料金
  • 供花費用

など

寺院などに支払う費用

仏教形式で家族葬を行う際に、寺院へ支払う費用のことです。
基本的に、喪主が寺院へ直接手渡します。
無宗教葬などで聖職者を葬儀に呼ばない場合は、必要ありません。

【寺院などに支払う費用の主な例】

  • 読経料
  • 戒名料金
  • 御膳料
  • お車代
  • お布施代

など

飲食代などの実費費用

参列者をもてなす際に必要となる飲食代や返礼品代にかかる費用です。
葬儀社によっては、提供するセットプランに含まれていることも少なくありません。
参列者の人数や料理のグレードなどによって、金額が大きく変動します。

【飲食代・返礼品代としてかかる費用の主な例】

  • 通夜振る舞い・精進落としの開催費用
  • 会葬御礼費用
  • 香典返し費用
  • 各現場スタッフに渡す心付け

など

 

2-1.家族葬と一般葬の費用の違い

基本的に家族葬と一般葬で、葬儀における一連の儀式内容や流れに大きな差はありません。しかし、一般葬よりも家族葬の方が参列者は少ないため、式場や祭壇がコンパクトに済み、スタッフなどの人件費を抑えられます。
また、飲食代や返礼品などの出費も抑えられるため、一般葬に比べて、全体的に家族葬は3割程度費用を少なくできることが一般的です。

ただし、一般葬よりも参列者の少ない家族葬では、出費を抑えられる代わりに、受け取る香典の総額も少なくなります。そのため、選択した葬儀の形式などによっては、一般葬を行うよりも、家族葬の方が遺族や喪主の負担が高額となる可能性があるため、注意が必要です。

 

3.家族葬をするメリット・デメリット

葬儀で家族葬を選択するメリット・デメリットについて、3点ずつ紹介します。

【メリット】

●参列者が少ないため精神的・肉体的な負担が少ない

家族葬は参列者が少ないため、葬儀にかかる時間が短く済み、心身の負担を軽くできます。また、気心の知れた身内だけで葬儀を行うことにより、参列者への対応に追われることなく、ゆっくりと故人と最後の時間を過ごすことが可能です。

●葬儀の内容を自由に選択できる

一般葬は、葬儀進行の内容が固定されていることが多く、故人や遺族の希望するプランを組めないことが少なくありません。家族葬の場合は、比較的葬儀プランの自由度が高い会社が多いため、独自色の強い葬儀を実施しやすい傾向です。

●一般葬よりも費用が抑えられる

参列者が少ないため、葬儀会場や祭壇がコンパクトに済みます。また、飲食代や返礼品などにかかる費用を抑えることが可能です。

【デメリット】

●周囲からの理解を得られない可能性がある

近年は家族葬を行うことが増えていますが、一般葬以外は非常識だと考える方も一定数存在します。また、人によっては、葬儀に呼ばれなかったことによって気分を害してしまい、後々トラブルとならないとも言い切れません。
そのため、事前に説明や説得を行っておくなど、周囲からの家族葬に対する理解を得る必要があります。

●葬儀後の弔問客が増える可能性がある

家族葬は身内のみで執り行われるため、参列できる方は故人と深い関わりのあった方のみです。そのため、葬儀に参列できなかった故人の関係者が自宅を訪れることも少なくありません。
弔問客それぞれに時間を割いて対応しなければならなくなるため、結果として葬儀後にかかる遺族の負担が増えることもあります。

●一般葬よりも費用がかかる可能性がある

家族葬は一般葬よりも参列者が少ないため、香典として受け取れる金額も少なくなります。
また、特殊な葬儀を行った場合などは、一般葬より高額な費用がかかることも珍しくありません。

これらのメリット・デメリットを踏まえて、家族葬・一般葬の選択を行いましょう。

 

4.家族葬にかかる費用を抑えるコツ

家族葬とは、あくまでも参列者の人数が少ないというだけであって、葬儀の内容自体は一般葬とほとんど変わりません。選択する葬儀のセットプランや追加する品目によっては、かかる葬儀費用は高額化する可能性があります。

ほとんどの葬儀社が提案する家族葬の基本プランでは、葬儀に最低限必要な品目があらかじめ見積りに盛り込まれていることがほとんどです。しかし、葬儀社や葬儀のプラン内容によっては、そこからさらに品目を削減することは不可能ではありません
細かい品目が分からない場合でも、コツを知っておくことで費用を抑えられます。

家族葬にかかる費用をできるだけ抑えたい場合は、下記のコツを実践することがおすすめです。

●飲食を用意しない

元々、通夜振る舞いや精進落としで行われる会食には、一般参列者に対する感謝の気持ちを込めたもてなしの意味が含まれています。そのため、参列者が身内だけで済む家族葬では、業者に大量の飲食を依頼する必要はありません。
家庭によってはコンビニで調達したり、自分たちの手料理やファミレスで済ませたりするケースもあります。

●読経をしない

付き合いのある菩提寺がない場合や、特に信仰する宗教がない場合は、読経や葬儀後の法要を行わないことが、費用を抑える方法の一つです。
読経を行わない場合、寺院などへかかる数十万円の費用を浮かせられます。ただし、供養といった面で精神的に割り切れないなど、親族間でも意見が分かれることが多いため、事前に理解が得られるまで話し合いましょう。

●一日葬にする

一日葬は、通夜を省いて翌日の告別式・火葬のみを行う形式です。近年では、通夜が一般の参列者が訪れる場としての役割が強くなっているため、家族葬では通夜を行わないことも少なくありません。
また、告別式も行わずに、火葬のみとする直葬という形式もあります。

 

まとめ

基本的に、家族葬とは参列者の数が少なく、葬儀会場などの規模が小さい葬儀のことを指し、葬儀内容は一般葬と差がほとんどありません。
しかし、家族葬は一般葬よりも葬儀プランの自由度が高く、故人や遺族の意向を反映しやすいことにより、近年利用者が増加傾向にあります。

葬儀は金銭的にも精神的にも、遺族の負担が非常に大きい儀式です。故人の死を悼むことを大前提にしながらも、遺族の負担を最小限に抑えることも考慮に入れて、葬儀形式を選択しましょう。